「デジタルトラスト協議会」の立上げ
NECや富士通などのほか日立製作所やセコム、セイコーホールディングスの傘下企業、金融機関など10社超が参加し、「デジタルトラスト協議会」を立ち上げます。
参加者はサービス内容や技術的な基準などを共通化し、企業の違いを超えて顧客が利用できる方法、紙の書類や押印の削減に役立つ電子認証サービスの共通化を検討します。
各社のサービスの互換性を高めて顧客の使い勝手をよくし、デジタル化を後押しします。政府には欧米に比べて遅れている公的なルールの整備を提言します。
電子認証とは
インターネットを経由して取引や契約をする際に「誰が、いつ、なにをしたのか」を電子的に証明します。従来からの紙の書類や押印への依存を脱し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を進める重要な手段の一つです。
電子認証の課題
紙の契約書や領収書に付ける実印や肉筆のサインに比べて、デジタルデータはコピーや改ざんがしやすいという課題があります。この課題への対応には、暗号化して作成者を証明する「電子署名」や、データがある日時に作成され、その後も改ざんされていないことを示す「タイムスタンプ」などのサービスがあります。
電子認証のメリット
電子認証サービスが普及すれば、押印のために出社するといった手間が不要になり、テレワークもしやすくなる。ただ紙にこだわる文化が根強いほか、違う企業のサービスを契約している利用者同士では使えないといった点が普及の課題になっています。
欧州の現状
民間の電子認証サービスに国がお墨付きを与える仕組みで先行しています。
欧州連合(EU)が2016年に電子認証の包括的な法的規則を発効しました。電子署名やタイムスタンプなどが含まれており、国が効果を認めることで民間の利用を後押ししています。
日本の取り組み
まだ包括的なルールがなく日本は出遅れています。
新型コロナウイルス拡大によるテレワークの広がりなどを受け、政府は押印や紙の書類を削減する方針を打ち出しました。
デジタルトラスト協議会の役割
協議会は民間の観点から早期の公的ルール整備への提言を行います。
この協議会には総務省など官公庁の関係者も参加します。
引用元
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62997940U0A820C2MM8000/