5月17日(金)にユニコムプラザで開催された協働啓発シンポジウムの報告です。
関東学院大学の牧瀬稔准教授による基調講演、市民協働推進課による「次期相模原市市民協働推進基本計画」の説明、そして「協働実践者」によるパネルディスカッションと、盛りだくさんの内容でした。
基調講演は、関東学院大学の牧瀬稔准教授の「協働の輪をさらに広げるために」、そのポイントをお伝えします。
「協働」について 学びました!
- 相模原市の協働は?
- 条例を持つ自治体はいくつあるでしょう?
- 初めて条例名に「協働」を入れた自治体はどこでしょう?
- マスコミはいつから「協働」という言葉を使い始めたか?
その答えは?
- 相模原の協働の定義
市民と市及び市民と市民が、目的を共有してそれぞれの役割及び責任の下で、相互の立場を尊重し、協力して、公共の利益を実現するために活動すること。
- 条例を持つ自治体数
152自治体(調査対象は1719自治体)
- 初めて「協働」を入れた条例を作ったのは
2001年横須賀市。相模原は、2012年。
- マスコミが「協働」を使い始めたのは
1980年代後半。
協働の成功事例が紹介されました。
成功事例は、鳥取県の境港市。
「鬼太郎」や「妖怪」をキーワードとし、妖怪オブジェを商店街の歩道に設置する「水木しげるロード」(鬼太ロード)を整備。
経済効果は、2008年の120億円から2011年の436億円へと大ジャンプ。
成功要因は、行政と事業者と地元住民が、境港市のポテンシャルを再発見し、目的を共有化して「水木しげるロード」を盛り上げるために活動した点です。
境港市の成功は、協働の意味を、まさに実践したことにあります。
「協」には、右に3つの力があります。行政の力、市民の力、事業者の力、この3つの力が、左にある「+」のように足されて大きな力になります。
3つの主体の力が加わり、動いている状況を見ていた傍ら(周り)の人たちも楽しくなって、「その行動に自分も参加しよう!」と促す活動が協働です。
シビックプライド(Civic Pride)
「シビックプライド(Civic Pride)」とは都市に対する市民の誇りを指す言葉。郷土愛のように、単に地域への愛着を示すだけではありません。
「シビック(市民の/都市の)」には権利と義務を持って活動する主体としての市民性という意味があります。
自分自身が関わって地域を良くしていこうとする、ある種の当事者意識に基づく自負心、それがシビックプライドです。
シビックプライド指標として、ランキングがあります。
相模原のランキング、気になりますね!
関東、関西の151自治体での相模原市の順位です。
総合ランキング:146位
愛着ランキング:150位
誇りランキング:151位
共感ランキング:150位
継続居住意向ランキング:129位
他者推奨意向ランキング:121位
相模原市の順位、とても低いです。驚きです。
基調講演での牧瀬先生からの提案です。
協働の輪をさらに広げるために
・相模原市役所は、行政としてシビックプライドの情勢に取り組んでいく必要がある。
行政計画の策定に加え、シビックプライド条例を制定してもいいかもしれない(全国初)
・シビックプライドは、イベントを実施することにより、高まる傾向がある。市民主導のイベント、行政主導のイベントを増やしていく(イベントという結果より、過程と言う経験の積み重ねが、シビックプライドが高まる契機になると思われる)。
素晴らしい提言です。
是非、実現してゆきたいですね!
後半は、パネルディスカッション。
三人のパネラーが、どんな思いで、どのように活動しているか、熱く語られました。
コーディネーター:平岩夏木氏(㈱エフエムさがみ 代表取締役社長)
パネリスト :牧瀬 稔氏(関東学院大学法学部 准教授)
竹田幹夫氏(星が丘地区自治会連合会 会長)
星野 諭氏(NPO法人コドモ・ワカモノまちing 代表理事)
大谷かな穂氏(南区若者参加プロジェクト実行委員会副委員長・大学生)
とても学ぶことの多いシンポジウムでした。
相模原でのシビックプライド(Civic Pride)の醸成、スタートしませんか!!