達成した7つの「世界初」
①小型ロボットによる小天体表面の移動探査
「MINERVA-II1」のローバー2機(「イブー」・「アウル」)を投下し、リュウグウ表面を移動したこと。
その後、独・仏のローバー「MASCOT」を投下、こちらの移動も確認された。
②複数のロボットを小天体に投下、展開
「MINERVA-II1」の「イブー」・「アウル」と「MASCOT」の計3機がリュウグウ表面で活動した。
③天体着陸精度60cmを実現
第2回タッチダウン(7月11日)で、着陸予定地点「C01-Cb」(直径7m)の中心から60cmの位置にタッチダウンしたことを確認した。正確な着陸。
④人工クレーター作成、その過程と作成前/作成後の状態を詳細観測
衝突装置 SCI を投下し、直径約10mの「おむすびころりん」クレーターを生成した。その様子を分離カメラ「DCAM3」で撮影することに成功した。
⑤1機の探査機が同じ天体の2地点に着陸
リュウグウの赤道付近で経度が約90度離れた2か所に着陸した。両地点には「たまてばこ」「うちでのこづち」という愛称が命名されました。
⑥地球圏外の天体の地下物質にアクセス
クレーター生成によってリュウグウ地下の物質が飛散して表面に堆積したことを画像観測で確認し、その中に着陸して試料を採取した。試料は地球に運ばれてきます。
⑦最小・複数の小天体周回人工衛星を実現
「MINERVA-II2」分離のリハーサルとして、ターゲットマーカー2個を投下してリュウグウを周回する人工衛星にすることに成功した。ターゲットマーカー2個は、「スプートニク」「エクスプローラー」と命名された。
順調な地球への帰還
12月3日に地球帰還のための巡航に入った「はやぶさ2」
12月19日時点でリュウグウから4万5000kmまで離れ、イオンエンジンを使い、順調に飛行を続けているそうです。
今後の予定
イオンエンジン運転を2020年2月まで行い、2月から5月まではイオンエンジンを使わずに太陽の重力のもとでの公転運動(弾道飛行)を行う予定との事です。
その後、9月まで2回目のイオンエンジン運転を行い、10月からは化学エンジン(スラスター)を使って地球に戻るための最終的な精密誘導に入るそうです。
予定では、地球に戻るのは、リュウグウ出発から約1年後の2020年11~12月頃です。
地球に帰還するのは?
「はやぶさ2」は、「はやぶさ」とは異なり、地球の大気圏には突入しません。
地球に到着した「はやぶさ2」は、リュウグウで採取した試料を入れたカプセルを地球に向けて分離します。
リュウグウの貴重な試料だけを、地球に届けるのです。
プロジェクトチームでは、カプセルを分離した後、「はやぶさ2」を別の天体の探査へ向かわせることも検討しているとの事です。
待っています、「はやぶさ2」