小惑星「りゅうぐう」に、多くの炭素
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、小惑星探査機「はやぶさ2」が着地した小惑星「りゅうぐう」は、炭素を極めて多く含む岩石や砂粒に覆われていることを発表しました。
「はやぶさ2」のデータを詳しく分析し、科学的に多くの炭素があることが裏付けらました。炭素が生命の条件である有機物に含まれている可能性もあるそうです。
炭素の含有量が2パーセント以上
はやぶさ2の光学航法カメラによる半年間の観測データを分析し、りゅうぐうの地表は反射率が1.87パーセントと極めて低く、炭素の含有量が2パーセント以上とかなり高いことがわかりました。
地表に広がる岩石に大きな凹凸
中間赤外カメラによる熱の観測とモデル計算で、地表に広がる岩石の凹凸が極めて大きいことも確認されました。JAXAの嶌生(しまき)研究開発員のお話では、「激しい凹凸で知られる米ハワイ州のキラウエア火山などの『アア溶岩』と同程度のもの」とのことです。インスタントコーヒーの粒のように隙間が多いのも特徴です。
帰還は年末
はやぶさ2は年末の地球帰還に向けて、地球から約1億3000万キロの位置を航行中。
往復の航行実績は48億6000万キロに達し、残すところあと3億8000万キロとなりました。
はやぶさ2の歩みと今後
はやぶさ2は2014年12月に地球を出発。
2018年6月から昨年11月までりゅうぐうに滞在。
2回の着地で、地表と地下の試料を採取できたとみられています。
帰還時には試料を収めたカプセルをオーストラリアの砂漠地帯に投下予定です。
その後は残りの燃料を利用し、さらに別の天体に向かうことが検討されています。