「はやぶさ2」、新たな小惑星に向かう延長ミッションスタート!
2020年12月6日、小惑星リュウグウのサンプルの入ったカプセルを地球に届けた「はやぶさ2」は、新しい小惑星探査に出発しました。
探索先の小惑星への到着予定はなんと2031年。11年にもおよぶ長い旅です。
この拡張ミッションで、「はやぶさ2」は打ち上げから17年もの長い間、宇宙を航行することになります。
ターゲット
直径約30メートルと小さく、高速で自転する小惑星「1998KY26」
到着予定
2031年7月(11年後)
総飛行距離
100億キロに達する見込み。
小天体の危険性
小さなサイズの小天体は、今までに詳しく観測された例がないが、100年に1度の頻度で地球に衝突する恐れがあります。
地球への衝突などの災害を防止する「プラネタリー・ディフェンス」の観点からも成果が注目されています。
小惑星「2001CC21」
カプセル投下後に地球の重力を使った軌道変更(スイングバイ)を、延長ミッションでは、複数回実施する予定です。2026年には、探査先とは別の小惑星「2001CC21」の近くを通過し、観測を行う計画です。
探査先の1998KY26
将来、地球に衝突する危険性があるとされる小惑星の一つです。
1998年に、この小惑星を発見したアメリカのグループが命名権を持っていて、リュウグウのような名前はついていません。名称の1998は、発見された年です。
この小惑星は、自転周期が約10分と高速で、遠心力が強く働いています。ですから、複数の岩が寄せ集まった「りゅうぐう」と異なった構造を持っている可能性もあります。
はやぶさ2の装備
はやぶさ2は、1998KY26に接近し、観測を行う予定です。
燃料のキセノンは、まだ、50%近くが残っています。
残念ながら、着陸して試料を収集するカプセルはもうありません。
試料採取時に発射する弾丸が一つ、着陸前に投下して目印に使ったターゲットマーカーが一つ残っているので、この2つを用いた探査が期待されています。
お疲れ様でした、はやぶさ2、そして、次のミッション、がんばれ、はやぶさ2!