はやぶさ2の新しい旅
小惑星探査機「はやぶさ2」は、12月に小惑星リュウグウの試料入りカプセルを地球に届けた後、新たに小型小惑星へ向かいます。金星や別の小惑星の観測を計画していることが発表されました。
新しい旅「拡張ミッション」
はやぶさ2は12月6日、小惑星リュウグウで採取した試料入りのカプセルを地球に投下した後、主エンジンのイオンエンジンを使ってさらに航行を続け、約10年かけて新たに小型小惑星へ向かいます。その途中、地球に再接近し、地球の重力で探査機の飛行する軌道やスピードを変える「スイングバイ」を実施します。イオンエンジンの燃料は、12月6日時点で55%も残っている見通しです。
新たに探査する小型小惑星
候補は、二つ。
平均直径30~40メートルの「2001AV43」と「1998KY26」の二つのいずれかです。
JAXAは9月に行きやすい方を目的地に決める意向で、前者の場合は金星付近を、後者の場合はさらに別の小惑星付近を通過する予定で、それぞれをカメラなどで観測することを検討しています。
「拡張ミッション」とは
12月からの新たな探査は、探査機が果たすべき本来の任務を超えたものになるので、JAXAは「拡張ミッション」と位置づけています。「探査機をゼロから作るより、はるかに効率良く新たな科学的成果が得られる。長期の運用で技術も磨ける」ことが、メリットとの事です。
二つの小型小惑星
50メートルより小さな小惑星で、自転周期が10分程度と高速で回転していて、どのように形成されているのか明らかにできれば、リュウグウとの比較などが可能になります。100~200年に1回程度、地球に衝突する天体と同じ大きさなので、素性を調べることで天体の地球衝突による災害を防ぐ技術の研究にも役立つと期待されています。
がんばれ「はやぶさ2」‼