「アビガン」の治験、9月に完了の見通し
富士フイルムホールディングスが国内で実施している新型コロナウイルス感染症の治療薬候補「アビガン」の臨床試験(治験)が9月に完了する見通しであることがわかりました。当初は6月の完了が目標でしたが、沈静化の中で、治験参加者が集まらず計画が遅れていました。
このところ感染者が再び増えてきたことから必要なデータを集められるメドがついたので、治験が進むということです。
今までの経緯
新型インフルエンザ薬のアビガンの治験は、3月末に始まりました。対象は軽症・中等症の肺炎患者ですが、4月は治験を実施する大病院では重症患者が多く、5月に入ると、逆に、コロナ患者自体が急減し、治験の参加者集めが難航していた。
今は、感染者が再び増えたことで治験参加者も集めやすくなった。当初は96人の参加を目標にしていたが、最終的には150人程度になる見通しで。今月16日には参加者の募集を締め切る予定です。
今後の見通し
治験では投薬後に観察期間をとる必要があり、治験完了は9月になります。その後のデータ解析で効果が確認できれば、富士フイルムは治療薬としての製造販売の承認を申請する方針です。厚生労働省はコロナ薬を迅速に審査する方針を示しており、今秋にも承認される可能性があります。
アビガンは、国内の製薬企業が開発した初の新型コロナ薬としての期待が高まりました。しかしながら、藤田医科大学の特定臨床研究では有効性が確認できませんでした。
国内の他のコロナ薬
厚労省は、5月に米製薬大手ギリアド・サイエンシズの「レムデシビル」を承認、7月には抗炎症薬「デキサメタゾン」も認定している。
一日も早いアビガンの治験完了、期待しましょう!