日本の初めての人工衛星「おおすみ」
「おおすみ」は日本が初めて打ち上げた人工衛星。50年前の1970年2月11日に、東京大学が鹿児島県からL-4Sロケットで地球を周回する軌道に投入されました。
1969年に打ち上げられたL-4 T型1機の打ち上げを含めて、計5回の試行錯誤(失敗)の後での成功でした。
軌道は、遠地点5151km、近地点337km楕円軌道でした。バッテリの消耗が予想以上に早く、15時間で通信が途絶えました。その後、2003年8月に、エジプト・リビア国境付近の上空で、大気圏に再突入して燃え尽きました。
「おおすみ」の前に人工衛星の打ち上げに成功したのは、旧ソビエト、アメリカ、それにフランス。日本は、世界で4番目でした。
これまで打ち上げられた日本の人工衛星と探査機は合わせて240基余り、世界で4番目に多くなっています。
長く人工衛星・探査機に携わってきた関係者は、「限られた予算と人員でよくやってきた」と振り返っています。
はやぶさ2までの歩み
「おおすみ」の後、X線を観測する天文衛星「はくちょう」やハレーすい星を調べる探査機「さきがけ」など、そして、最近では「はやぶさ2」など“比較的小さな科学衛星”を打ち上げてきました。ほかにも、気象衛星や通信衛星など実用衛星の利用も進めてきました。
的川泰宣名誉教授のお話
JAXAの的川泰宣名誉教授は「おおすみ」の打ち上げにも参加されました。
「わずか24キロの小さな人工衛星ではあったが、本当にうれしい瞬間だった。今では日本の宇宙開発が世界と渡り合えるようになり、限られた人員と予算でよくやってきたと思う」